【デジタルブック】歴史学者と歩くはじめての日韓歴史遺産
880円
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はじめて住んだ韓国でみかけた風景に日本が重なってみえる。「なぜだろう」と感じたことを韓国の歴史学者・鄭在貞先生に率直に尋ねてみると、かつて日本との関わりの濃い場所であったとわかります。写真家の小川裕司さんが鄭在貞先生の解説を聞きながら「韓国の中の日本」と「日本の中の韓国」を訪ね、日韓歴史遺産ともいうべき24のスポットをご案内します。お互いの理解を深めるために、また韓国に旅する時に読んでほしい一冊です。
◆「はじめに」より
2005年から2008年まで日本企業の駐在員としてソウルに滞在しました。韓国に住むのは初めてで白紙の状態だったのですが、住んでみると日韓の文化の違いにとても驚きました。同時に面白いと感じたので『なんせんちょうむ(生まれて初めて)』(NNA)という形で日韓文化比較を3冊の本にフォトエッセイの形でまとめたところ、韓国の新聞やTVで取り上げられ、ソウルの日本大使館の公報文化院でも展示会が開催されました。
その後、私の関心は文化の違いから日韓の歴史に移り始めました。ちょうどその頃に出会ったのが、鄭在貞先生です。鄭先生からは歴史の現場に行っていろいろなことを感じ、考えることの大切さを教えていただき、実際に歴史の現場を訪ねる旅に連れて行ってもらいました。この本はその時の旅のメモから生まれたものです。本来は私の離韓時に出版の予定でしたが、鄭在貞先生が李明博政権に請われて東北アジア歴史財団の理事長になったため、出版を延期することになりました。
鄭在貞先生が民間の教授に戻り数年が経ったこと、日本で歴史の講演を再開することなどを機に今回の出版に至りました。この本は私が見聞きしていた日韓の歴史を話題に持ち出し、それに応じて鄭在貞先生が解説をするという形をとっています。一部執筆時と現在との時間のずれを感じる部分があり、修正しました。写真は私が撮影したものです。この本を通じ歴史の現場を感じていただけるとありがたく思います。(小川裕司)
【デジタルブック】
歴史学者と歩くはじめての日韓歴史遺産
著者/鄭在貞(歴史学者)・小川裕司(写真家)
イラスト/のえみ
2024年3月15日 配信スタート
頁数:全76ページ
定価:880円(税込)
発行:瓢箪座
配信:ZIZOBOOKS
プロフィール
■鄭在貞(CHUNG Jae-jeong)
1951年生まれ。ソウル大学と東京大學で学部と大学院を修了。文学博士。韓国近代史、韓日關係史、歴史教育の専門家。ソウル市立大学の人文学部長と大学院長、東北アジア歴史財団理事長などを歴任した。両国の政府が支援した韓日歴史共同研究委員会の幹事、大韓民國歷史博物館運営諮問委員長、国史編纂委員会委員、ソウル市史編纂委員会委員、ソウル歴史博物館運営諮問委員などを務めた。2017年ソウル市立大学教授を退官。
主な著書に『帝國日本の植民地支配と韓国鉄道、1892∼1945』、『韓国の論理ー転換期の歴史教育と日本認識』、『日本の論理ー転換期の歴史教育と韓国認識』、『京都からみた韓日通史』、『韓日交流の歴史』、『ソウルの歴史2000年』、『韓国と日本ー歴史教育の思想』、『新しい韓国近現代史』、『主題と争点で読む20世紀韓日関係史』、『韓日の歴史対立と歴史対話』、『韓日会談、韓日協定、その後の韓日関係』、『鉄道と近代ソウル』。主な翻訳書に『植民地統治の虚像と実像』、『韓国併合史の研究』、『日ロ戦争の世紀』、『日本の文化ナショナリズム』、『日本軍慰安婦問題の解決のために』など多数。
■小川裕司 (Yuji OGAWA)
1954年生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科。鴨武彦ゼミで国際関係論を学ぶ。1978年日本郵船入社。シンガポール6年、シドニー5年、ソウル3年の滞在経験あり。豪州で撮った写真シリーズ「豪花」で花の写真家としてシドニーの紀伊国屋書店ギャラリーで2004年にデビュー。2005年にソウルに渡り、日韓文化比較をテーマにフォトエッセイ集『なんせんちょうむ』を出版。ソウルでは日本大使館、国際交流基金等で個展(写真展)開催。招待展も多い。2009年より2019年まで北九州市小倉在住。2014年より2023年まで日韓文化交流イベント(リバーリンク・プロジェクト)を主催。松岡正剛のイシス編集学校受講(千離衆/九天玄氣組)。日本旅行作家協会会員。現代俳句協会会員。日本ペンクラブ会員。東京展会員。
[項目]
【韓国の中の日本を訪ねる】
沙也可…朝鮮側に投降した日本の武将
板門店…南北冷戦の最前線
四溟大師…日本軍から捕虜を取り戻した外交官
ソウル駅…東京駅によく似た駅舎
高麗青磁 …世界最高レベルの芸術品
浅川 巧…朝鮮の人たちに最も愛された日本人
花郎…イケメンのエリート武士団
西生浦倭城… 加藤清正が造った倭城
済州飛行機格納庫…日本旧陸軍の軍事施設跡
世宗大王…朝鮮王朝で唯一「大王」を名乗る
倭館…幕府公認の日本人町
日本人町…日本家屋が残る韓国の町
王仁博士…論語と千字文を日本に伝える
【日本の中の韓国を訪ねる】
松尾大社…飲み屋のママも参拝します
高麗美術館…高麗、朝鮮時代の名品が揃う
二つの弥勒菩薩像…瓜二つの像がソウルにも
耳塚…切り落とした朝鮮人の耳や鼻を葬る
高野新笠…百済系渡来人で桓武天皇の生母
姜沆…韓国の儒学者で日本の朱子学の父
名護屋城…朝鮮出兵の日本軍の前線基地
百済王伝説…宮崎に伝わる百済王族の物語
京都南部教会…映画「パッチギ」の舞台
尹東柱…日本で獄死した韓国で人気の詩人
下関…日韓の歴史を語る要の街